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仮名加工情報とは?個人情報の利活用を促進する新たな制度

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個人情報保護法の2022年4月改正により、「仮名加工情報」という新しい制度が導入されました。これは、個人情報の保護を確保しつつ、企業等によるデータ活用の柔軟性を高めるための仕組みです。

この記事では、仮名加工情報の定義や匿名加工情報との違い、活用方法、注意点などについて詳しく解説します。


■ 仮名加工情報とは?

仮名加工情報とは、他の情報と照合しなければ個人を識別できないように、個人情報を加工したものです。
個人情報保護法第2条第9項の2で以下のように定義されています:

「仮名加工情報」とは、個人情報を、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように、個人情報保護委員会規則で定める方法により加工したものをいう。

つまり、元の情報は消去せずに一部を置き換えるなどして、「一見して誰か分からない状態」にした情報のことです。


■ 仮名加工情報の特徴

項目仮名加工情報匿名加工情報
個人識別性他の情報と照合すれば可能不可能(完全に匿名化)
利用目的の制限緩和される(目的外利用可)制限なし
本人同意の要否一定条件下で不要不要
第三者提供原則禁止(個人情報と同様)条件付きで可
再識別の可能性ありなし

■ 仮名加工情報の加工方法(一例)

仮名加工情報を作成する際は、容易に個人が特定されないように加工する必要があります。
加工の一例:

  • 氏名を乱数や符号に置き換える(例:「山田太郎」→「ID1234」)
  • 生年月日を「年のみ」にする(例:「1985年3月15日」→「1985年」)
  • 住所を「市区町村」レベルにぼかす

ただし、完全な匿名化(匿名加工情報)とは異なり、再識別が技術的には可能な点がポイントです。


■ 仮名加工情報の利用メリット

仮名加工情報は、次のようなケースで非常に有用です。

  • 社内分析や業務改善:たとえば退職者や顧客データを使って傾向分析を行う場合、仮名加工することで本人同意なく利用できる。
  • 研究開発:医療データなどで特定の個人を明示する必要はないが、分析には個別性が必要な場合に活用される。
  • 教育・人事部門での統計処理:部署単位の評価や傾向を出す際などに便利。

■ 仮名加工情報の取り扱いルール

仮名加工情報は、あくまでも「個人情報」の一種であるため、一定の規制が存在します。

主な義務:

  • 再識別を目的とした照合の禁止
  • 安全管理措置の実施(アクセス制限や管理責任者の配置など)
  • 本人からの開示・訂正・削除の義務は免除(通常の個人情報と異なる点)

つまり、個人情報ほど厳しくはないが、匿名加工情報ほど自由でもない「中間的な位置付け」と言えます。


■ 仮名加工情報の注意点

  1. 外部提供は禁止:たとえ仮名加工されていても、第三者への提供は原則認められていません。
  2. 加工記録の保管が必要:加工の内容や処理記録を一定期間保存することが求められます。
  3. 十分な加工でない場合、単なる個人情報として扱われる:つまり、本人の同意が必要になることも。

■ まとめ

仮名加工情報は、個人情報をある程度保護しながらも、企業内でのデータ利活用を柔軟に行うための有用な手段です。匿名加工情報と異なり、あくまで「社内利用」が前提であり、取り扱いには一定の制限があります。

プライバシー保護と業務効率化のバランスを取るために、仮名加工情報を正しく理解し、法令に沿った適切な運用を心がけましょう。


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